2004年1月9日
熱き沈黙の横たわる死の世界。
氷の太陽に照らされた、音の無い世界。
凍てついた熱に融け、崩れ行く世界。
冷たき熱に支配された虚無の世界。

灼熱した金砂が横たわる。
それはまるで果て無きように。

そこでは全ての生あるモノが生存を許されず、
炎熱の檻は外界を拒絶するように砂漠を覆う。
融解する温度。
蒸発する汗。
許しも乞わず、檻を破りて足を踏み入れる者。

旅人。

埋もれる足元を意に介さず
疲れ果てた体を引きずって旅人は行く。

絶叫が虚空に飲み込まれる。

放浪する。
彷徨う。
終わりなき渇きを癒すため、旅人は果て無き地を踏み進む。
潤いを求め、突き進む。
最早故郷は無く、目的はただ一つ。

「外の世界へ目を向けろ」

声無き声にて絶叫する。
潤い求めるは己のためにあらず。
荒廃した心に救済を。
叫ぶ。

「外の世界へ目を向けろ」





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